15の夜はティラミス・ガールズと共に

 「根拠が弱いようだよ、ホームズ」と、彼女は悪戯っぽく、寿の頬に指を立てた。


 「でも、そう直感するんだ」
 寿はそれを払いながら続けた。「そしてこう考えた。 でも、もし二人が地方からこっちに出て来てて、一緒に暮らしてて、そして何より二人とも、とても“素直な”性格だったなら、双子で朝食を食べることも可能なのだろうと…。 だから『落書き師の助手をしてくれないか』って声をかけた。良い娘たちなんだろうって。 …まぁ、あと、キャンパスバッグ持ってたし……」


 「まさに」彼女は大きく頷いた。「とても穏やかで器が大きいのよ。私達」


 「まさに」寿は思わず笑った。「年下の俺が言うのも何だけど、二人はとても良い子だ。二人といると、とても優しい…“赦しの気持ち”になるんだ」