15の夜はティラミス・ガールズと共に

 「寿…」

 「あそこ(学校)には“何も無い”…! 優しさも誠実も、倫理も、プライドも。あるのは、思春期と名を借りた発情期の衝動だけだ。 “誰も自分の足りないものに気付かないで、自分こそが世界の中心だと思ってる”」

 「…ほら、彼等をたぶらかすように、そんな小説がヒットしたろ?」


 「そんなこと…ないよ…」


 「うそだ…! 無駄に仲間意識がある体裁を装って、誰も自分以外を思いやってないんだ…!」

寿はベッドの前に座り込んだ。

「なぁ、綾…。優しさの無いところは…俺、怖いんだよ……行きたくないんだ、学校…怖いんだ」