15の夜はティラミス・ガールズと共に

 「今日はまず…」寿は少し嘲笑を含んで言った。「無垢な女子小学生が殺されて、愛を語り合ったカップルが別れて、生きるのが楽しくてしょうがないオーラを纏った芸術家を語るアイドルが渋谷で歌を歌った」


 「もういいから…」
 

 「世間を非難してるんじゃない」

 
 「してるのよ。甘えてるのよ。変になったフリして、心配してもらいたいのよ」


 「違うんだ、こういう事にたぶらかされてるのに気付かないんだ…みんな」

 「だからゴミなんだ、みんな。 綾は知らないだろうけど、はっきり言って、男子連中は発情した犬みたいに女子を犯す事しか考えていない。けれど、なにも気付かないゴミ共だから、自分達のその“性的な衝動”を、トレンディドラマとか、流行曲にある台詞を借りて、“愛”だとか言ってんだ」


 「そ…そんなこと……」綾は少年の悲しみと闇に何も言えない。


 「女子だってそうだろう?処女を失うのが、ある種のステータスなんじゃないか?」寿はうな垂れた。「イケメンの○○先輩に犯されたとかって……。 …みんな、ゴミさ。何もかもゴミなんだ」