だが、彼女の考えが全く読めないのは事実。彼女の笑顔が何かをたくらんでるような顔に見えてきてしまう。

「私たちをどうするつもりなの?」

厳しい表情のまま、うみがちさに聞いた。

「さっき言わなかったかしら?あなたたちをここから出すつもりで、わざわざ見張りから鍵を奪ってきたんだけど。」

「ここから出して、それからどうするつもりなのか聞いてるの。」

確かに、白の傭兵が私たちの命を狙う理由があっても、助ける理由がない。

「そうね…出来れば穏便に事を済ませたかったのだけれど、赤が確信犯なら仕方がないわ。チェックメイトのために、あなたたち二人には白の手駒になってもらうわ。」

誰が!と白い頬をちょっと赤らめ、うみは怒って言った。

「なぜこんなに嫌われてるのかしら。まぁ、これも赤の作戦のひとつなのでしょうね。」

ちさの言う言葉はどうも雲を掴むようでいまいちわからない。ただ、もう赤と白のどちらを信用していいのかがわからなくなってきた。