言われたとおり、お城に向かって道を歩いていた。
基本的に一本道なので迷うことがない。
ただ、その道は深そうな森へとただ続いていた。…分かれ道があればいいのに。

まぁ、とりあえず道があるということは、道を辿れば戻って来れるということ。つまりUターンすれば少なくともここには帰って来れる。森の中で彷徨うことはない。そう意気込んで、森へと足を踏み入れることにした。

日の光もほとんど入らない森の中を恐る恐る歩いていると、可愛らしい子ウサギや綺麗な鳥なんかを遠くに見ることが出来た。…どれもこれも私よりサイズが非常に大きいが。
…そういえば自分にぴったりサイズの家や人がいたから忘れていたが、私は小さくなったままだった。雑草ですら自分の背丈ほどある。
虫なんか出てきたら…考えただけで鳥肌が立ってくる。

道端の雑草にこそこそと隠れつつ道を辿っていると、ある違和感を感じた。

「あれ?何これ。」

道はずっと続いているのだが、それは壁に描かれた絵。つまり行き止まりに行き着いたのだ。

「行き止まりって、何?そんな…。」

壁をバンバンと叩くものの、近くを調べるものの、この先には進めないようだ。