それはあたしがこの学校の入学式の時のことだった。


(もう1年A組の教室ってどこなのよ。)


教室がわからずうろうろしてたら声を掛けられた。


『もしかして新入生?』


『あっはい。』


『あそこの廊下を右に曲がってすぐだよ。』


『ありがとうございます。』


何人か素通りする中で先輩だけが優しく声をかけてくれた。


爽やかな微笑みと優しそうなマロン色の瞳に胸がきゅんとした。