やっぱり金は欲しい。


でも…。


『すみません。やっぱり俺…金なんかよりもっと失いたくないものがあるんで。』


これ以上忙しくなったら桜子のそばにいて守ってやれねぇし…。


『TOMOこんないい話ないんだぞ。お前失いたくないものってなんなんだよ!!』


『それは…』


俺は桜子ってはっきりいえなかった。


『…分かりました。ではまた気が変わればいつでも連絡下さい。私たちはいつまでも待っていますから。』


星野さんは俺と編集長に頭を下げて部屋を出ていった。