あいつが走り去った後に手が砕けそうなほど痛みが走る。 『達也、このことぜってぇ誰にもいうなよ。俺今度の大会出てーから…。』 『そんな手じゃ無理に決まってんじゃん。』 『桜子と約束したんだ。試合に勝つって。』 『何言ってんだよ。そんな約束なんかより手のほうが大事だろ。』 そんな約束って? 俺にはそんなにも大切な約束なんだ。