お互い戦うことはなかったけど順位的には直人くんのが上回ってる。


試合後から先輩が見当たらず会場中を探した。


先輩は人気のいないベンチに腰掛けていた。


『せん…っ…』


下をうつ向いている先輩の背中は丸くなり小刻みに肩が揺れていた。


…先輩…泣いてんだ。


あたしはそっとその場を離れ姿を消した。