部活が終わり咲季さんは先輩を部室の外に呼び出した。 あたしも咲季さんについて行く。 『智也、そのリストバンドどうしたの?』 『かっこいいっしょ』 右肘を曲げ自慢するように手首のリストバンドを見せた。 『ちょっと外して見て。』 『気に入ってるから嫌だ。』 子供が駄々をこねるように拒んだ。 『いいから見せて。』 咲季さんが右手を掴むと小さく痛っという先輩の声が聞えた。 咲季さんは構わずリストバンドを外した。