『桜子ちゃん今日智也おかしくない?』 咲季さんがいつもより声低く深刻そうな顔つきで言った。 『そうですよねぇ、あんなリストバンドつけちゃって。』 あたしは笑いながら答えた。 『違う。よく見て、智也いつもと竹刀の持ち方が違う。』 …えっ…? あたしにはいつもと同じに見えた。