草食系鈍感彼氏の射止め方

「さあ、お姫様、着きました」

雫石さんは駐車場に車を止めて助手席のほうへ回ってドアを開けてくれた。


「あ、ありがとうございます」

なんか照れる。


「さて、
どっからまわろうか？」

大きく背伸びしながら雫石さんは聞く。



潮のにおいがする。

海が近いんだ。


「海、見たい」


「オッケー、
じゃ行こっか」


ゆっくり並んで歩く。

こうして2人で一緒に歩いているとどんな風に見られてんだろ。