その低く透き通るような声。
3姉妹でいつも甲高い声の中で過ごしていたアタシにはその雫石さんの声がとても新鮮で心地よかった。
そしてそのときまだ小学生だったアタシだけど。
こんな男のひとと一緒にいれたら毎日ステキだろうなあって思うようになった。
それ以来、
姉がクラブで文化祭や何かイベントをするとかいうときは必ずアタシもついて行くようにした。
そしてそのうち雫石さんもアタシのことをちゃんと覚えてくれるようになった。
「あ、うーちゃん、
来てくれてんなあ」
って嬉しそうに笑って。
雫石さんはアタシをとても可愛がってくれた。
妹みたいに。
妹…
みたいに…か。

