そして姉から紹介された。
「あ、この子たちアタシの妹。
こっちがももでこの子がう…」
アタシは当時小学生で今よりももっと名前のことでからかわれることが多かったからどうしても他人に知られるのが嫌だった。
だからそのときアタシの名前を言うかもしれない、
姉の背中を思いっきり叩いた。
「ちょっとぉ、何すんのよ!」
姉が怒ってアタシに言う。
姉を睨みつけると彼女もアタシが名前にコンプレックスをもっていることを知っているからか自分の背中をさすりながら言った。
「…うーちゃんとでも呼んでやって」
「そう、ももちゃんとうーちゃん…。楽しいなあ」
雫石さんは名前を繰り返した。

