「ほな、連絡してみて」 もう、アタシが嫌がってるってわかってる? 「なんでそんなことせんとあかんのよ。 何も関係あらへんのに」 「せっかくのチャンスやのになんでそこまで毛嫌いすんの? なに? 生理的に受け入れられへんとか?」 どうしてもアタシに連絡させたそうな感じ…? 「そんなんちゃうけど…」 アタシは地下鉄の改札で見かけたときの本を読んでいた彼の横顔を思い出しながら答えた。 「ほしたら余計に、連絡せんと!」 彼女の声にハッとする。 「あ…あかんって!」 必死になって言い返す。