「…名前も聞いてへんの?」 しつこく美月は聞いてくる。 「名前…? んー…。 あぁ「佐々布 遼」とか言ってたような?」 アタシは再びクリームブリュレを口に運びながら答える。 そして彼女もアタシと同じように美味しそうな顔して食べる。 「へー…それから?」 今度は一緒に運ばれてきたホットティーを飲んで彼女は満足げな顔をする。 あ。 一瞬、美月がなんかどっかのお嬢様みたいに見えた。 でもそんなこと言うときっと調子乗るから言わない。