そんな態度に響は慌ててアタシのほうにまわってきた。 「怒ってんの?」 困った風に聞いてくる。 え? えっと。 別に怒って言ったんでもないんだけど…。 でも。 ちょっとこのまま怒ったふりでもしてようか。 「手を抜いても響の方がうまいに決まってんのに。 だいたいアタシなんか運動神経もいいほうちゃうねんからねっ!」 さっきよりもむすっとした表情でアタシは言った。