「あ、すいません…」 見上げると大学生くらいの男の人が申し訳なさそうに立っていた。 その人も何か落としたようでちょうど拾いあげたところだった。 それにしてもなんなの。 その飄々とした姿。 アタシはため息ひとつついて携帯をスカートのポケットに入れる。 「もう…今日、 機種変したばっかやのに…」 アタシはボソッとそう言ってそのままその人を無視して地下鉄に乗るため近くの階段を降りて行った。