「一生懸命なうめちゃんに対して僕があまりにものんびりとしすぎているから。
そんな態度でいたらいつか離れていってしまうって。
想いは見えないだけにいつも頼りなくて不安になるから、
そう言われました」
そっか。
そうなんだ…。
アタシは彼の言葉に安堵して泣きそうになるのを懸命に堪える。
でも
あまりにも彼の声はやさしくて心地よくて。
「でも北野に行ってから、
それからうめちゃんは僕のことを遼ちゃんって呼んでくれるようになったでしょう?
僕のことをそう呼んでいいのはうめちゃんだけですから」
「アタシ…だけ…?」
「そう。まあ、だから、
それで僕はわかったつもりでいたんですよね。
謝ります…」
そこまで話してそれから遼ちゃんの手がアタシの肩にそっと置かれた。
いつもの…
温かい手、だ。

