「前にも言ったでしょう? ここは通り道なんですよ」 やっぱり… 彼だ。 遼ちゃん…。 そう認識したとたんにアタシのこころが騒ぎ出す。 彼と一緒に同じ時間を過ごしていたころのように。 「うめちゃんって案外と泣き虫なんですね? 泣いた顔も可愛いけど笑顔のうめちゃんのほうがずっと僕は好きですよ?」 !!! 彼の言葉に真っ赤になって思わず顔を見る。 あ…。 いつもの。 アタシの好きな。 彼の穏やかな笑顔だ。 目が合って笑顔を見せる彼。