今の声? なんかすごく近くに感じたんだけど…。 まさか。 でも。 手が震え、 胸がどきどきしてきた。 「…いい景色ですよね」 その声の主は穏やかにそう言いながらアタシの隣に立つ。 うそ、だ。 さっきよりもどきどきして 涙が落ちそうになって 隣を確かめることができない。 「な、なん…で…」 視線は糺の森に向けたままやっと言えた小さな声。