3月になっても風はまだまだ冷たかったけれど日差しは少しづつ暖かく感じ始めた頃。
「ちょ、うめ、
あの前に貸してやったイヤリング返してもらってへんねんけど?」
お姉ちゃんがアタシに尋ねた。
イヤリング?
あ。
遼ちゃんの家に行くときに借りてったやつか。
あれ片方どっかいってしまって言うと怒られるから返してって言われないのをいいことに
そのまま黙って過ごしてたんだった。
「…え?
あのイヤリングなくしたってぇ?」
「だって…」
アタシは言い訳に困って口ごもる。
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