---------- 歩きながら今までのことを思い出していた。 ずっと前に時間が戻ればいいのに。 逆瀬川 陽花を知らなかった頃。 遼ちゃんと一緒で怒ったり泣いたり笑ったり。 それでただ楽しかった頃。 ううん。 それよりもっと前。 そう、 地下鉄の改札で…。 「うめちゃんって 可愛い名前ですね…」 そう言ってくれたあのとき。 あのときのまま時間が止まればよかったのになあ。