やっぱり「知らない」って事実を目の当たりにするとキツイなぁ。 こんな寂しい思いするのなら来るんじゃなかった。 空を見上げてタメイキついた。 すると突然今度は後ろから女性の声が聞こえた。 「アナタ、 遼のこと好きなの?」 振り向くとその標準語で話す女性は真っ赤なルージュに胸の大きく開いた水色のシャツ。 そして黒のタイトスカート姿でにっこり笑ってアタシに聞いた。 いつも関西弁に囲まれているアタシにとって聞き慣れない標準語に違和感を覚えた。 誰…この人。 知らない。 大人の女のひと。