「…! うめのどこが悪い? 笑いたかったら笑えば?」 アタシは口をとがらせて投げやりに言った。 知られたくなかったのに。 幼いころからからかわれて好きでこんな名前になってるわけじゃなのに。 どうせこのひとも可笑しいとか言って笑うんだろう。 そう思ったのに。 返ってきたのは意外な言葉だった。 「うめちゃんって 可愛い名前ですね…」 彼はアタシと同じようにしゃがんでその名前の書かれたプリントを差し出しながら言う。