そんなこんなでとうとう約束当日がやってきてしまった。 「いらっしゃい」 遼ちゃんは満面の笑みでアタシを迎え入れてくれた。 たったそれだけでこころが騒ぐ。 「今日は腕をふるっておもてなししますから楽しみにしててください」 エプロン姿の彼は言う。 なんだかその姿が可笑しくてつい笑ってしまう。 「どこか…おかしいですか?」 「全然。 ただエプロン姿の遼ちゃんが…」 「そんなにおかしいですかねぇ?」 と言いながら頭をかいていた。