アタシはゆっくりとその人に近づいた。 「あの…」 「あぁ…。 昨日はすいませんでした」 佐々布さんは読んでいた本から目を離しアタシに謝罪した。 そして 「はい」 と言ってアタシに携帯を渡した。 やっと戻ってきた! アタシの携帯! アタシは奪い取るように受け取った。 そしてアタシが持っている携帯を渡そうとカバンの中に手を突っ込んだ。