「え。なんで?」 だってアタシはもともと好きな人がいて…。 そりゃ結局ダメだったけど でもそんなんすぐにまたすぐに好きなひとって…。 「違う!絶対違うから!」 アタシは必死で否定した。 「だからいっつも言うてんでしょ、 人を好きになるのに理由なんかいらんって。 これやから設楽はいつまでたっても…」 そう言って彼女はため息をつく。 「それに恋人のフリまでしてくれたんやろ? それって設楽のことまんざらでもないって思ってんちゃうかなー?」 美月は机を挟んでアタシの向かいに座り続けた。