「あ、僕ですか?」
今まで蚊帳の外って感じで聞いていた彼は自分に会話をふられてびっくりしたように答えた。
「あーーーーっと!
…この人はっ!」
アタシが慌てて口を挟む。
「この人、今、アタシ付き合ってんの。
佐々布 遼さん。
ね?遼ちゃん?」
咄嗟にウソをつく。
なんだか自分が惨めだったから。
アタシにだって彼氏くらいいるからって意思表示したくて。
こないだの連絡取ってた人はこの人だから!
って。
「え…??そうな…?」
佐々布さんはアタシの方を向いてそう聞きかけたとき彼の向こうずねを思いっきり蹴った。
「いっ…たっ…!」
顔を歪ませる彼を無視してアタシは続ける。

