佐々布さんもアタシの尋常でない態度に納得したのかなにも言わなかった。
「…もういいかな…」
アタシはそっと立ち上がり膝についた砂埃をはたいた。
「あの人たち…、
知り合いだったんですか?」
「あ…うん。まぁ…」
アタシは頭が混乱したまま曖昧に答える。
アタシたちはどこに行こうとも決めてもないけどなんとなく無言のままゆっくり歩き始めた。
アタシが曖昧にしか答えなかったからか彼はそれ以上、
何も聞かない。
そっか。
多分。
お姉ちゃんは。
だからこないだアタシに彼氏がいるのか?
とか聞いてきたんだ。
自分が雫石さんと付き合っているから。
もしかしたらアタシが雫石さんのこと好きなのかもしれないから
ってそう思ったんだろう。

