信号が青に変わり2人がこっちに歩いてくるのを見てはっと我に返った。 「どうしたんですか? うめちゃん?」 そしてその声で佐々布さんと一緒にいるんだってことも思い出した。 こんなところ見られたくない! あの2人も見たくない! 「ちょっと!来てっ!」 アタシは不思議がる彼の腕を引っ張って天満宮の大きな鳥居の陰に隠れた。 「どうしたんですか?」 佐々布さんは理解に苦しむらしく何度もアタシに聞く。 「ちょっ! 今は黙ってて!」 アタシは2人がこのまま通り過ぎることを祈りながら目を閉じた。