でも着信画面を見ると自分の電話番号。
間違いない。
アタシはちょっと緊張しながら電話に出る。
「もしもし?」
受話器を通して聞こえる男のひとの声。
やっぱり…。
あーよかった。
こっちを気にしている美月に向かって思わずニッと笑ってブイサインを出す。
「あの…すいません…。
昨日、何回も連絡をいだたいたみたいで」
助かった!
でもほっとしたのと同時に怒りがこみあがってきた。
「なんで何回も電話してるのに出てくれへんかったんですかっ!
こっちはエライ迷惑してたんですよっ!」
「すいません…。
昨日はあれからずっとバイトが入ってたもんで…。
ホントすいません」
こんなに怒鳴っても電話の向こうで謝ることしかしないからなんか怒るのもアホらしくなってきた。
とりあえず電話を早く返してもらおうと今日学校が終わってから会う約束をして電話を切った。

