でも。
こんなひとがステキな店を知ってるなんて。
なんか意外。
「ふーん…。
こんな店あるの知らんかった。
美月を連れてきたら喜ぶやろうなぁ」
アタシは美月とこの辺りでいい店を探そうって言ってた事を思い出した。
「あぁ、この間の。
うめちゃんのお友達ですか?」
そう…
と返事をしようとしたときスタッフの人がやってきて声をかけた。
「あ、佐々布さん?
ご無沙汰でしたね」
「あぁ、こんにちは、
しばらく大学が忙しかったもんですから」
にこやかに彼は答える。
「今日は可愛いお客さんと一緒ですね?」
アタシのほうを見てスタッフの人は声をかける。
そんなこと言ったって。
なんて答えていいのかわからなくて聞こえないフリをして外の景色を眺めていた。

