「そう? 可愛い名前やと思うけどなぁ」 そう言って彼女はくすくすと笑う。 あーそうですか。 はいはい。 ホントはそう思ってないくせに。 何も答えないアタシに彼女は続けた。 「あ、それより昨日携帯機種変したんやろ? アタシせっかく電話したのに…。 どんなんにしたん? 見せて?」 あ、そうだった。 携帯。 またひとつ落ち込むネタが。 「コレ」 アタシはカバンの中から投げ捨てるようにその携帯を出した。