アタシは気を取り直し佐々布さんにハンカチを差し出す。 「この間のハンカチ…」 それから 「ありがとう」 そう伝えた。 「全然、 かまいませんよ」 彼はそう笑顔で答えた。 「あ…あの… どうしてまたここに…?」 アタシは彼が会うのに指定した場所がいつもここであることや今日またここで会ったことを思ってふと聞いた。 「あぁ、 ここは通り道なんですよ」 彼は東側と西側を指差す。 「あっちが大学でこっちが家、 だからいつも賀茂大橋は通り道なんですよ」 「ふーん…」