橋を渡りながらアタシはぼんやり川の方に目をやった。 「…あんなになってひとのネックレス探すやて …アホみたい」 アタシはボソっと言った。 「ん? なんか言うた?」 美月はアタシの顔を覗き込むように聞いた。 「あ、あ、いや、 なんでもあらへんよ」 アタシは焦って答える。 「なーに焦ってんねんよ? アヤシイ…」 そう言いながら寄ってきた美月はアタシにもたれるように一緒になって川を見下ろした。