試合前だから緊張してるのかな。 アタシが声をかけようとすると響は 「あのな…」 と先に切り出した。 「なに?」 アタシがそう聞いたとき一番会いたくないと願っていた永野原 芽依がやってきた。 昨日アタシにとんでもない質問をしたポニーテイルの子。 「アタシ、 先に行ってるから」 そう言った彼女はあのときアタシと会ったときの緊迫した表情はそこにはなくてとても穏やかな表情だった。 「あ、うん」 響は照れくさそうに笑う。