観客席を出るとちょうど響も出てきたところだった。 そして彼はアタシを見つけると駆け寄ってきた。 「どうやった?」 汗を拭きながら聞く。 「おめでとう、 すごいよかった」 アタシは笑顔で言った。 「ありがとう、 これに勝てたから次また明日試合あるねん」 「そっかー!頑張って! ほんじゃ、アタシ帰るわ」 アタシがそう言ったとき。 響は一瞬、 ほんの一瞬だけどちょっと表情が歪んだ …ような気がした。 試合にも勝ったのに。 どうしてだろう。 気のせいかな。