暗くなった夜道を自転車が走る。 風が冷たい。 ふと空を見上げると星が見えた。 冬の空は澄んでいて星がたくさん見える。 車のライトとか店の灯りとか… すれ違って行く。 ぼんやりと… でも考えるのは…。 雫石さんからのネックレス…。 2人の間に会話はなく風と自転車をこぐ音だけが聞こえる。 なんとなくアタシは彼に聞いた。 「そういえば… なんで年下のアタシにいつまでも敬語を使ってんの…?」 「あぁ、これはクセみたいなもんですから気にせんといてください」 そう言って佐々布さんは笑った。