「…ふぁい…?」 「…あれ? 遼じゃないの?」 電話の向こうから聞き慣れない女のひとの声が聞こえる。 誰だ…? 「…誰ですか…?」 アタシはまだ半ボケのまま答える。 「すいません、間違えました」 女性の声はそう言って電話を切った。 アタシはぼんやりしたまま再び眠りに落ちる。 するとまたすぐ電話が。 なんなのよ、もう。 「…ふぁい…」 「あの…佐々布 遼(ササウ リョウ)さんの携帯では…?」 さっきの女? それにしても誰だ? この女?