「…泣いてるの?」
「うるせぇよ…」
そういう事聞いてくるなよ。
お前デリカシー無ぇぞ?
安田は、うづくまる俺の隣に座った。
膝を抱えながら、ぼんやりと夜空を見上げる。
「もしも今、一瞬だけ願いが叶うとしたらどうする?」
急に何を言い出すんだ?
思わず、少し顔を上げて安田を横目で見つめた。
安田は、月を見上げていた。
透けた身体が、光を吸い取っているみたいに光ってる。
「私、今だけ身体を与えて下さいって願いたいな」
「……何で?」
聞いてみた。
「今、身体があったら…圭ちゃんを抱きしめてあげられるからさ」
…この…バカ女。
「お前…少し黙ってろ…」
余計に涙が止まらなくなるだろ。
抱きしめてやりたいのは俺の方だ。
…安田、好きだよ。
お前は幼なじみとしてしか見てないだろう?
男としての俺を、悲しいくらいお前は求めていないかもしれない。
ずっとそばに居て…お前のその言葉はたぶん、俺の意味とは違うものだろう。
でも俺は、お前が好きだ。
俺は…お前を特別だと思ってる。
今更言えない言葉だけど…。
…好きだよ、葉月。
「うるせぇよ…」
そういう事聞いてくるなよ。
お前デリカシー無ぇぞ?
安田は、うづくまる俺の隣に座った。
膝を抱えながら、ぼんやりと夜空を見上げる。
「もしも今、一瞬だけ願いが叶うとしたらどうする?」
急に何を言い出すんだ?
思わず、少し顔を上げて安田を横目で見つめた。
安田は、月を見上げていた。
透けた身体が、光を吸い取っているみたいに光ってる。
「私、今だけ身体を与えて下さいって願いたいな」
「……何で?」
聞いてみた。
「今、身体があったら…圭ちゃんを抱きしめてあげられるからさ」
…この…バカ女。
「お前…少し黙ってろ…」
余計に涙が止まらなくなるだろ。
抱きしめてやりたいのは俺の方だ。
…安田、好きだよ。
お前は幼なじみとしてしか見てないだろう?
男としての俺を、悲しいくらいお前は求めていないかもしれない。
ずっとそばに居て…お前のその言葉はたぶん、俺の意味とは違うものだろう。
でも俺は、お前が好きだ。
俺は…お前を特別だと思ってる。
今更言えない言葉だけど…。
…好きだよ、葉月。



