「何?」
平静を装った俺の声は、微かに震えているのがわかった。
「圭ちゃん…中学2年の時にさ、急に私を安田って呼び始めたよね?」
「………」
…はっきりと覚えてる。
葉月って呼び方を同級生にからかわれて、呼び方を変えた。
安田はこんな奴だから、中学に入ってもガキの頃と変わらない付き合いをする。
俺と安田が付き合ってるって思ってた奴もいたくらいだ。
俺は否定した。
嫌だったんだ。
幼なじみだからとか、そういう見方で付き合ってると思われるのが。
安田は、俺を幼なじみ以上に扱わなかった。
男として見てなんかいなかった。
だから普通にチャリに乗って、俺の腰に腕を回してこれたんだよ。
俺が初めて安田と呼んだ時…それは、初めて安田とケンカした時。
何で急に安田なんだと、お前は怒ったんだよな?
悲しそうな顔して、潤んだ瞳で…泣きたいのを我慢してるって俺は気付いてた。
俺は、お前と距離を置きたかったんだ。
あんまりお前が俺を男として扱わないから、幼なじみの枠から出てみようかと思ったんだ。
でも、安田は変わらなかったな。
変わらなかったんだ。
平静を装った俺の声は、微かに震えているのがわかった。
「圭ちゃん…中学2年の時にさ、急に私を安田って呼び始めたよね?」
「………」
…はっきりと覚えてる。
葉月って呼び方を同級生にからかわれて、呼び方を変えた。
安田はこんな奴だから、中学に入ってもガキの頃と変わらない付き合いをする。
俺と安田が付き合ってるって思ってた奴もいたくらいだ。
俺は否定した。
嫌だったんだ。
幼なじみだからとか、そういう見方で付き合ってると思われるのが。
安田は、俺を幼なじみ以上に扱わなかった。
男として見てなんかいなかった。
だから普通にチャリに乗って、俺の腰に腕を回してこれたんだよ。
俺が初めて安田と呼んだ時…それは、初めて安田とケンカした時。
何で急に安田なんだと、お前は怒ったんだよな?
悲しそうな顔して、潤んだ瞳で…泣きたいのを我慢してるって俺は気付いてた。
俺は、お前と距離を置きたかったんだ。
あんまりお前が俺を男として扱わないから、幼なじみの枠から出てみようかと思ったんだ。
でも、安田は変わらなかったな。
変わらなかったんだ。



