白雪姫と毒リンゴ


「…俺は…。」

亮が何かを言った。

「え?」

周りの人の声で、よく聞き取れない。

「んでもねぇよ。」

秋矢の方を向いて、ぶっきらぼうに言う。

他の女子にはそんな態度とらないくせに。

秋矢がこっちに気づく。

森川さんと離れて、私達の方に来た。

「うわー、秋矢くん。迷子ちゃん。」

ひやかす声で、亮は秋矢に言う。

「迷子じゃねぇよ。」

「女の子と一緒にいたもんね。」

私の声に、秋矢は驚いた顔をする。

「雪姫も亮派か?」