白雪姫と毒リンゴ


人だかりの向こうには、確かに秋矢の姿があった。

「…誰かな?」

秋矢の隣には、女の子がいた。

「隣のクラスの、森川未来(モリカワミライ)。」

サラリと言っちゃうとこが、女遊びの激しい亮っぽいよ。

「仲良いのかな。」

「付き合うかもな。」

亮を見た。

付き合うかも、しれないんだ…。

「寂しくなるね。」

「何が。」

私は黙った。

幼なじみ、三人。

いつも揃って一緒にいたのに。

もう居られないのかもしれない。

だからって言って、秋矢や亮を“幼なじみ”で縛る事は出来ない。

「いつかみんな離れていっちゃうんだろうね。」