人混みに流されてお詣りをして。 「…う。」 必死な思いで、見つけた亮の服を掴む。 「あ、悪い。」 私が人混みに埋もれている事に気付いた亮は、手を握ってくれていた。 「秋矢は?」 周りを見て、亮に問う。 「は?いないのかよ。」 迷子か?と眉を寄せる亮を見る。 そして、人混みを外れた端に行って、携帯を取り出した。 私は背伸びをして、秋矢を探す。 「秋矢、迷子状態。」 肩をすくめて、フッと亮は笑う。 「笑い事じゃないじゃん!」 「いた。」 亮は指を差す。