「明日から七海ちゃん専属のコーチをつけてもらうことにしたわ」

 「えっ!?」


 おそらく、相手は今の電話の相手なのだろう。


 「私が、責任持って教えてあげたかったけど、生徒さん今多くて付きっ切りって訳にいかないからね♪」

 「いえ。あ、でも……受講料……」

 「いいの、いいの。そんなの気にしないで♪」

 「でも……」

 気にするよ。

 「どうしてもって言うなら、アイツの給料から天引きするから心配しないで♪」

 「……」

 ダイビングって結構お金かかるって――。

 何かの雑誌に書いてあったし。
 
 千暁さんのこの有無を言わせないような笑顔を目の当りにすると、何も言えなくなってしまった。