「眩しい」

 
 急に浴びる太陽の光りが目に沁み、目を細める。


 「よぉ!」


 私の声に気づいたのか? 昨日の男の人が、石で作った釜戸の傍でしゃがみ、俯いた姿のまま声を掛けてきた。


 「シチュー……ご馳走……様」

 「よく眠れたか?」

 「……はい」


 この返事で、ようやく振り返った彼は笑顔を一つくれた。

 その笑顔を見た途端、心臓がドキンッと跳びはねた。


 心がくすぐったいような不思議な気持ち

 Tシャツに短パンを穿いただけの姿

 太陽に照らされたフサフサした赤茶色の髪に

 この笑顔

 まるで……


 「ひまわり」

 「えっ!?」

 「ううん、なんでもない」


 私の言葉に不思議そうに瞳をまるく大きく見開き、その後真顔になった。


 「よし!! 何が合ったかは知らねぇけど、今度自殺なんかしたら許さねぇからな!!」

 「自……さ……つ…?」

 「しようとしただろ?」


 私は、首を横にゆっくり振る。


 「えっ!? だって、服着たまま海ん中にいただろ? ご丁寧にサンダルまで揃えてさ」

 「あれは、買ったばかりのサンダルを濡らしたくなかったのよ」

 「はぁ!?」

 
 どうしよう

 また怒られるかな?


 気まずい沈黙が暫し流れる