「祐希くん、いつもお母さんのためにありがとね」 「何改まってんだよ?」 「うん、今までちゃんとお礼言わなかったし」 「今更だろ?」 「そうだね(笑)」 私たちは再び二つの傘を広げ、霊園から遠ざかる。 「ちょっと寄り道して行かね?」 「うん、いいよ」 珍しいな いつも“飯メシ”って真っ直ぐ帰る祐希くんなのに。