仕事以外は、家に隠りっきり。

 解ってる。

 こんな生活してたって変わる事は出来ないって。

 グラスにワインを注ぐ


 「あ~ぁ、動物でも何でもいいから、誰か来てくれないかなあ?」

 すると


  ♪ ピ~ンポ~ン

 想いが通じたのか玄関のチャイムが鳴る。


 「はぁい」



 軽い足取りで玄関先に向かい、白いドアを開ける。

 少し湿った冷たい風が顔に突き刺さる。

 辺りに影の一つもない。

 また、ピンポンダッシュでもされたかな?

 鍵とチェーンをかけ、つけっぱなしのテレビのある部屋に戻る。