「おっ、やっと俺の存在に気付いた? 俺は、櫂。ヨロシク♪」

 「僕は今、そんな挨拶を交わす気分じゃない」

 「だろうな。まぁ付き合え!」

 「何で、男のお前に付き合わなきゃなんねぇのさ!?」

 「俺だって好きでお前の傍に居るんじゃねえ」

 「それじゃ、帰ってくれ。今日は誰とも話したくないんだ」

 「悪りぃな、そういう訳にもいかねぇんだよ」

 「……」


 まだ太陽がサンサンとした昼下がり

 公園のベンチに似合わないスーツを着こなしたこの男が、今日のターゲット。